記念日

お早うございます。今日は今週の倫理を掲載します。今年は「命」の年でしたね。


人生には、人それぞれに「記念日」が数多くあります。
その最も大切な日は、言うまでもなくこの世に生を享けた「誕生の日」です。父と母の生命が結合し、そして誕生した小さな命が、今ここに厳として存在する。これほど不可思議なことはありません。
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その命の源を遡っていくと、数え切れないほどたくさんの命がそこに存在することが分かります。わが命に至るまでに連綿と続く命の系譜。一〇代遡ると二〇四六人、二〇代では二〇八万数千人、三〇代遡ると二一億四千数百万人の親祖先の命があったと知れば、〈自分の命は決して小さな命ではない、尊さは天下一品である〉と気づくに違いありません。
誕生の日のことは何一つ分かるものではありませんが、自分が子の親になったとき初めて、親祖先に対する感謝の心が実感できるのではないでしょうか。
その心を「恩」と言います。親から命を分け与えていただき、大勢の人や沢山の物や自然の恵みを身いっぱいに受けて、生かされてきたことを恵みであると感じ、ありがたいと感じ、お世話になっていると感謝する心です。
近頃、世の中では理解できない出来事が数多く起こっています。命の元である父母を尊敬するどころか簡単に殺(あや)める子がいたり、わが子を殺める親が増えてきていることです。そこには、親に対する感謝の念や子に対する慈しみの心など、微塵も感じられません。
人は、子どもの頃に親から教えられたことを心に留めて生きています。物心ついた時に命の大切さを教えられれば、生まれ育った家庭や町はもちろん、国をも大切にして生きていくものです。しかし、生まれ育った環境の中で、愛の心を育む基盤がなかったならば、人を愛し、国を愛する心など育ちようがありません。
「大人だから何でも分かる、できる」と思ったら大間違いです。過去に経験しなかったことは、誰であっても何も分からないのです。魂の正常化をはかる家庭づくりを目ざすためにも、周囲の人々に対する思いやりを深めていかなければならないでしょう。
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冒頭で「人生にはその時々に記念すべき日がある」と述べました。誕生の日から、入学、卒業、就職、結婚、子どもの誕生、還暦、古希、喜寿…。経営者には、創業、独立、継承、周年など。純粋倫理を学ぶ人々には、そのきっかけとなった記念すべき日もあるはずです。
これらの記念日を忘れることなく、寿ぎ祝うことは、日々お世話になっている人々に対する感謝につながります。恩意識を高揚し、人間性を高めることは、これからの人生を豊かにしていきます。
 人生を一八〇度転換させるきっかけともなり得る「記念日」を忘れず、大切にし、一度しかない人生をより豊かに生きていきましょう。

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